中国語学習方法

パラフレーズ勉強法で表現の幅をつけろ!

前回記事の続き



今回の記事は前回の続きになります。前回をまだ読んでない方はぜひ目を通してください。

https://shublog0203.com/表現の幅が広がらない?言語学習は大量のインプ?preview_id=2060&preview_nonce=e79937e8d5&preview=true&_thumbnail_id=2098

表現の幅を広げたければパラフレーズ学習が最適



ここからは具体的に表現の使用幅を広げてくれる学習法の一つ「パラフレーズ勉強法」に関して簡単にお話ししていきます。ちなみにこのパラフレーズは4技能全てにおいて重要です。

パラフレーズとは何か?


パラフレーズとは、同じ内容を違う表現で言い表す、いわゆる「言い換え」の力のことを言います。



日本語でも同様にパラフレーズの力というのは存在していて、例えば難しい政治の話を優しい簡単な言葉で子供に教えることができたら、それは「パラフレーズができている」と言えるでしょう。

他にも

・彼女は出産した
・彼女は母になった
・彼女は子供を産んだ

これらも全て同じ内容を違う表現で言い表しています。

日本語教師やその他の言語教師にもこのパラフレーズ力というものは必須です。なぜなら、学習者が知っている語彙数に限りがあると同じ内容を言っているのにAという言い方は理解できるがBという言い方の方は理解できないということが起こるからです。

学習者の目線から見れば、ただのネイティブよりも先生の話す言葉の方が理解しやすいです。というのも授業中先生はパラフレーズを常に行なって、生徒が理解できる表現に落とし込んでくれているからなんですね。

大学や語学留学で授業を取って、その後ネイティブと話したことがある方は、先生の話す言語とただのネイティブとでは聞き取りやすさが全然違うという経験をしたことがあると思います。

ちなみにパラフレーズともう一つ「ティーチャートーク」という技術もありまして、この話も結構面白いので記事を読んでみてください。

https://shublog0203.com/フォーリナートーク・ティーチャートークとは何?preview_id=1718&preview_nonce=8134b40f6f&preview=true&_thumbnail_id=1720

パラフレーズができるとどんな良いことがあるのか


表現に豊かさが出る



まず一番は表現に豊かさが出ることです。前回記事でも質問者様が気になっていた点はここですよね。

パラフレーズは伝えたい核はそのままで、言い方・伝え方を変えたものですので、一つのことを伝えるのに複数の表現を考えることになります。これは言語学習に大変効果的で、表現豊かな文章を書いたり言ったりすることに繋がります。

例えば何度も同じ表現ばかり使う人は語彙力に乏しいと判断され、知的レベルが低いと判断されます。英語試験のIELTSの Writting Partはまさにそれが点数に顕著に出ます。繰り返し表現は避ける、でも意味内容は同じにしなくてはいけない、そんな時にパラフレーズが役に立ちます。

会話で止まらなくなる



私たちが会話で止まってしまう時、それはしばしば適切な単語が思い浮かばなかったり、自分の思う通り文法構造が組み立てられなかったりである時が多いです。これは実は母国語でもしょっちゅう見られます、例えばスーモというキャラの名前を思い出せない時相手にどう伝えますか?


ほら、あれだよ。不動産系のCMに出てる可愛い丸っこいキャラでさ、ふさふさな感じで緑色で、まりもみたいなやつ!



これもある意味パラフレーズです。

もっと簡単な例で言えば、自分の言いたい単語が出てこない時に類義語で対応するときもありますね。他にも文法構造を変えて表現することもできます。例えば

・我被老师说了一顿。(私は先生に怒られた)

こうした受け身表現と「怒られた」という言い方を知らなくても

・老师对我很生气了。(先生は私に対して怒った)

といった言い方でも十分意味は伝わります。こうした力をつけていくと次項の力につながっていきます。

英語を英語で、中国語を中国語で考えることができる



このパラフレーズ力が上がってくると日本語でいちいち考えなくてもその言語が口から出てくるようになります。例えば初中級者の頭の中と、上級者の頭の中では以下のようなことが行われています。(上が上級、下が初中級)



脳内で翻訳をするというのは実は恐ろしく労力が必要なことです。レベルは違いますが、国際会議などの同時通訳者が一人当たり持ち時間が20分なのは有名な話ですね。それだけ脳内で日本語⇄外国語を行き来するのは難しいんです。

しかしこのパラフレーズができるようになってくると日本語を挟まずとも外国語で表現する力がつきますから、自然と英語脳、中国語脳になってくるんですね。

もちろんあくまでこれはアウトプットの話です。前回記事で語学学習には「大量のインプットと少量のアウトプットが大切」という話をしましたね。あくまでこのパラフレーズもインプットがしっかりされていることが前提ですので、十分なインプットがないとそもそもパラフレーズするために必要な代替語彙が見つからないので注意してください。

ですのでこのパラフレーズはある意味全くの初級者には向いていません。基礎文法・語彙が身につき、初級を脱出した人、中級から上級に向いたい方が使用するものだと思っています。

どうやって練習すれば良いのか



さてパラフレーズの良い点について話してきましたが、ここからは実際にどのようにして練習すれば良いのかについてお話しします。

単語学習は日本語を挟むな



まずパラフレーズを学習する上で欠かせないのは単語学習の際に日本語を挟まないことです。何よりパラフレーズはその学習言語で別の表現を探す・作る練習ですから、必ず英英辞典中中辞典、Google・百度を使って調べましょう。

例えば、この前 Ted×Talkで「Mr.Right」という表現が出てきました。この時日本語の辞書や翻訳機を使うのではなくネットで英英で調べてみます。すると

[ Mr.Right ]
You can use Mr RightMiss Right, or Ms Right to talk about the kind of person that you imagine you will marry or spend the rest of your life with.



要は「理想の結婚相手」ですね。しかし理想の結婚相手と日本語で覚えるのでは無く、上記のように英語で覚えるように心がけると、その単語以外にも別の表現方法も学ぶことができるのです。

もう一つは類義語・反意語を活用することです。

ありがたいことに英語と中国語ならネット上で高確率で類義語・反意語が出てきます。例えば中国語で“无聊”を調べてみましょう。すると百度上ではこう出てきます

“无聊”的近义词:枯燥、乏味
“无聊”的答反义词:有趣、风趣



と出てきました。“无聊”は(生活などに)味気がないとかつまらないという意味であることが分かりますね。この時、もし意味が曖昧だったりしらない表現が会ったらその時一緒に覚えてしまえば一石二鳥ですね。

ちなみにGoogleで英英で調べたい時は

・English + meaning

で調べ、百度で調べたい時は

・“〇〇”的意思 , 近义词/反义词

と調べてみましょう。英語+意味とかで調べると日本語が出てきてしまいますよ。

文章を自分の言葉でまとめる練習をする



ニュースや手持ちの長文読解テキスト、Podcastのスクリプトを使って要約する練習もパラフレーズ に役に立ちます。なぜなら「まとめる」という行為にパラフレーズは欠かせないからです。

要約ですので大意さえ逸れなければ良いわけですから、何通りもできる表現があるはずですのでぜひやってみてください。

その際に表現が難しいところはしっかりパラフレーズをするということを忘れないでください。そこでがっつり辞書引いちゃったらパラフレーズの練習じゃ無くなってしまいますから。

あくまで「自分の言葉で伝える」という意識を持ちましょう。

パラフレーズの本を読む



意識を変えるだけで・コツを身につけるだけで」たったこれだけで案外パラフレーズ というのはグンとやりやすくなりなります。

残念ながら中国語のパラフレーズ教材はなかなかありませんが英語に関してでしたらいくつかあります。



こうした本は何も問題をやる必要は無く、とにかくパラフレーズの考え方を学ぶものです。こうした意識づけをさせてくれる(今ではネットでも良質な勉強法を検索できますから)本なりを読んでから実践でパラフレーズすると本当に感触が変わりますのでオススメです。

実践で磨いていく



最後は実践で鍛えていくパターンです。まず日頃のインプットがパラフレーズの種類を増やしてくれることは間違い無いので、日々インプット系の勉強は欠かさないようにしましょう。

その上で実践の会話の中で、なんとしても伝える努力をします。実はそのなんとしても伝えるという努力の過程の中でパラフレーズ は鍛えられていきます。自分が持っている知識のタンスの中から引っ張ってくるしかありませんから、その中でいかに表現するのかを常に考えるようになります。

「それってただの会話じゃない?」と思った方もいると思いますが、パラフレーズするという意識を持っているかいないかというたったこれだけのことで語学学習は全く違った角度から進歩することができるのです。

今では電話などでも外国人と話すことができますから、毎日でなくても良いので週に一回ぐらいはパラフレーズの訓練として実践会話を取り入れてみてください。(↓電話の具体的な会話練習方はこちらをクリック)

https://shublog0203.com/【中国語会話練習】中国人ネイティブと電話しよ?preview_id=2034&preview_nonce=ab3bf8a760&preview=true&_thumbnail_id=2052

まとめ


・表現の幅を広げたければパラフレーズ学習が最適
⇨パラフレーズとは、同じ内容を違う表現で言い表す、いわゆる「言い換え」の力のことを言います。

・パラフレーズができるとどんな良いことがあるのか
⇨表現に豊かさが出る
⇨会話で止まらなくなる
⇨英語を英語で、中国語を中国語で考えることができる

・どうやって練習すれば良いのか
⇨単語学習は日本語を挟むな
⇨文章を自分の言葉でまとめる練習をする
⇨パラフレーズの本を読む
⇨実践で磨いていく

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