今回は一点儿と一些の違いを解説
前回は「一点儿と有点儿 何が違うの?」というタイトルで書かせていただきました。チェックしてない方チェックしてください。
しかしながら、「一点儿と一些」は何が違うのか曖昧かつ分かりにくいと感じている方が多いようです。
それもそのはずです。この二つは同じ「少し」を表し、ネイティブに聞いてもほとんど同じだよと回答されることが非常に多いからです。しかしながら、実は細かく見ると使われ方に違いがあります。
今回は少し細かい内容となってしまいますが皆さんの疑問が本記事にて解決されれば幸いです。
一些の使い方

まず最初に、なぜネイティブに質問すると「一点儿と一些はほとんど同じだよ~」という返答が返ってくるのでしょうか?
それは前回記事でも紹介した比較の意味が含まれているときはどちらを使っても意味の変化はなくどちらでも大丈夫だからです。
・这个东西便宜一点儿 → 一般的な言い方
zhè ge dōng xi piàn yí yì diǎn ér
・这个东西便宜一些 → 口語的になる
zhè ge dōng xi piàn yí yì xiē
違いは口語的に聞こえるかどうかの違いですね。
それでは次にどのような時に使用法が変わるのでしょうか?見ていきましょう。
少しも・全く~ない という構文
ちっともお腹すいてない。全く眠くない。少しも働きたくない。
など、いわゆる「全体否定」の構文に使うときは「 一点儿 」のみ使用可能です。
「 一点儿 」 の全体否定は
“一点儿”+“也/都”+“不/没”、」
「少しも,まったく~ない」という表現です。
◎我一点儿都不饿( ちっともお腹すいてない )
wǒ yì diǎn ér dōu bú è
✖我一些都不饿
◎我一点儿也不困( 全く眠くない )
wǒ yì diǎn ér yě bú kùn
✖我一些也不困
◎我一点儿都不想工作( 少しも働きたくない )
wǒ yì diǎn ér dōu bù xiǎng gōng zuò
✖我一些都不想工作
数えられるかどうか
“一些”は数を数えられる事物に用いることができますが,“一点”は「这,那,这么,那么」をつけたり,否定用法(上段落の全体否定のこと)にならない限り,数を数えられる事物を修飾することはありません。
例えば、少しばかりの人は「一些人」とは言えますが、「一点人」とは基本的には言えません。しかしながら冒頭で述べたように、「 这,那,这么,那么 」がついたり、否定用法の時は「 一点 」が使えます。
◎这么一点菜
zhè me yì diǎn cài
✖一点菜( 这,那,这么,那么 )がないため
◎我一点儿都不困 →数えられる名詞関係なく、(否定用法)には 一点儿 しかないので
ここだけでもとりあえずリストにしておきます
- “一些”は数を数えられる事物に用いることができる
- 否定用法の時には使えない
意味が異なるときがある
実は、「 这么,那么 」とくっつくと、「一点儿と一些」の意味が変わるときがあります。
比べると次のようになります。
・ 这么一点菜 →たったこれだけの料理
zhè me yì diǎn cài
・ 这么一些菜 →こんなにたくさんの料理
zhè me yì xiē cài
どうでしょうか?
「这么一些 ・ 那么 一些 」だと、逆に量が多くなります。「こんなにたくさんの・そんなにたくさんの」という感じですね。
この点は非常に注意が必要ですね。何回も読んで頭に残しておいてください。
表す数量感覚に注意
“一点”は必ず数量が少ないことを表しますが,“一些”は必ずしも数が少ないとは限りません。 例えば、
我会说一点中文 → 私は中国語が少し話せます。
wǒ huì shuō yì diǎn zhōng wén
我会说一些中文 → 私は中国語がいくらか話せます。(少しよりは話せる)
wǒ huì shuō yì xiē zhōng wén
という感じです。
“一些” を使うと「決して多くはないけど、少しよりは多く話せる」というニュアンスの意味になります。
ネイティブはあまり区別しない方もいるのですが、解釈的には上記の通りなので細かいニアンスの違いになりますが知っておきましょう。
さて、 “一些” の使い方について再度まとめていきましょう。
一些のまとめ
- 比較構文的に使うと「ちょっと口語的になる」だけ
- 全体否定用法では使えない→この時は「 一点儿 」を使う
- 一些 は数えられるものにつく
- 「 这么,那么 」がつくと逆に量が多くなる
- 必ずしも数が少ないとは限らない
さて、このまとめだけ読んでも詳しくはわからないと思うので、このまとめを読んでピンと来なかったら、各段落をしっかり読んでください
それではまた次回!