中国語「了」の用法


もはや初級でない


前回は経験を表すアスペクト助詞「」について学習しました。

まだチェックしてない方はチェックしてください。

さて今回は中国語難文法のほうにも分類されてもおかしくない「了」の用法について学びましょう。なるべくかみ砕いて説明しますがわからなければ何度も読んでくださいね。

また「了」だけに関する論文や本もあるぐらいですから、研究すれば様々な「了」に関する見方が見つかるでしょう。しかし、当たり前ですがこのブログ内で説明できる範囲を超えてしまうので、ここでは中国語学習者が知っておくべき「了」の用法について詳しく見ていきます。

アスペクト助詞の「了」


アスペクト助詞の「了」は動作の実現を表す役目があります。同じアスペクト助詞として「过」を前回学習しましたが、この用法と同じく基本的には動詞の直後に置きます。

日本語では「~した」と訳されることが多いですが、中国語には「過去」という文法概念は存在しないため、あくまでこの場合のは「動作の実現・完了」であると記憶しておきましょう。

また未来のことにも使うことができます。(従属節に用いるという制限はあるが、この辺は難しいので割愛)→③参考

それでは例文を3つ見ていきましょう。

昨天晚上我喝了一杯咖啡。
 zuó tiān wǎn shàng wǒ hē le yī bēi kā fēi  
 昨日の夜コーヒーを飲んだ。
→意味的には過去だが「飲んだ」という行為の実現を指す

我回家后给他写了一封信 。
 wǒ huí jiā hòu gěi tā xiě le yī fēng xìn  
 私は家に帰って彼に1通の手紙を書きました。
→「書いた」という動作の実現を指す。

我下了课,给他打电话
 wǒ xià le kè   gěi tā dǎ diàn huà  
 授業が終わったら、彼に電話します。
→「授業が終わる」という行為が完了したら/完了した後に、彼に電話をする。
→「我下课以后」に書き換え可能。


否定形


面白いことにこのアスペクト助詞「了」は否定形になると無くなってしまいます。

なので作文などで書かないように注意してくださいね。

昨天晚上我没喝一杯咖啡。
 zuó tiān wǎn shàng wǒ méi hē yī bēi kā fēi  
 昨日の夜私はコーヒーを飲んでいない。

我回家后没给他写一封信。
 wǒ huí jiā hòu méi gěi tā xiě yī fēng xìn
 家に帰った後彼に手紙を書かなかった。


疑問形


疑問文は以下の三つがあります。

  1. 文末に「吗?」をつける
  2. 文末に「没有?」をつける
  3. 反復疑問文→この時否定の「没」をつけるため「了」は消える。


你看了这部电影吗?
 nǐ kàn le zhè bù diàn yǐng ma  
 君はこの映画見たのかい?

你看了这部电影没有?
 nǐ kàn le zhè bù diàn yǐng méi you  

你看没看这部电影?
 nǐ kàn méi kàn zhè bù diàn yǐng  


文終止の注意点


残念なことに <動詞+“了”>が目的語を伴う場合,もし目的語がなにも修飾語のついていないもので,ある特定の出来事だと限定できないときは,文をそこで終えることができません。

要は目的語が不特定で具体的でない場合は文を終えることができないのです。


例えばこの2つがいい例でしょう。

・我看了电影。
我写了信。


このような時は文を言い切れてはおらず、まだ後ろに続く感じが残ります

これを解消するために以下4つのルールがありますので合わせて覚えておきましょう。

  1. 語気助詞「了」を文末につける
  2. 数量詞フレーズなど具体的になる連体修飾語をつける
  3. 目的語に固有名詞を置く
  4. 動詞と目的語が離合動詞を形成するような固定化した結びつきで,さらに連用修飾語がある。


他写了信了。(彼は手紙を書きました。) →後半で詳しく解説


②✖我看了电视剧。
 ◎我看了一部电视剧


昨天看了李老师。
→李先生は固有名詞なのでこのままでOK


これは少し説明が難しいですが、要は「離合動詞+連用修飾語」の組み合わせが文中にある場合は、その動詞がより具体性を帯びるので「了」をつけたそのままで、②のように目的語に何か数量詞など具体性を持たせるものをつけなくてもOKということです。

例えば、以下のような文があったとしましょう。

在大会上,我无比激动地带头发了言。
 zài dà huì shàng   wǒ wú bǐ jī dòng dì dài tóu fā le yán  
  大会において私はこの上なく感激し率先して発言した。

まず離合動詞は「 发了言 =発言した(发が動詞、言が目的語)」ですね。
そして連体修飾は「 无比激动地带头 = この上なく感激し率先して 」の部分です。

こうした具体性を帯びた連体修飾語があり、かつ動詞が離合動詞を形成するような「動詞+目的語」の表現は、もうすでに具体的であるため目的語に数量詞などを加えなくてよいのです。


難しければこの④は飛ばしちゃってください。しかし、①②③はしっかり覚えておきましょう。

語気助詞の「了」


まず先ほどのアスペクト助詞の「了」は動作の実現・完了を表し、挿入位置は動詞の直後でした。

しかしこの語気助詞の「了」は同じ了でも用法が異なるのです。核となる用法は次の通り

新状況の発生や変化 を表し「ある新たな状況になった」という意味を持つ
・基本挿入位置は動詞の直後ではなく、文末である。


これを踏まえて例文を3つ見ていきましょう。

夏天到了,天气热了 。
 xià tiān dào le   tiān qì rè le
 夏になって、暑くなった。
→春から夏になったという変化と、暑くなったという変化。

李老师病了。
 lǐ lǎo shī bìng le
 李先生は病気になった。
→健康な状態から病気になったという変化。

我不想去了。
 wǒ bù xiǎng qù le
 私は行きたくなくなった。
→行きたかった(我想去)状態から「行きたくない」という状態への変化。


否定形・疑問形


否定はアスペクト助詞の“了”と同様に“没(有)”を用い,“了”は消されます。反復疑問文は“~了没有?”となります。 もちろん「吗」を使っても大丈夫ですよ。

昨天下午我没去超市。
 zuó tiān xià wǔ wǒ méi qù chāo shì
 昨日の午後スーパーに行かなかった。

昨天下午你去超市了没有?
 zuó tiān xià wǔ nǐ qù chāo shì le méi yǒu
 昨日の午後スーパーに行きましたか?


2つの「了」の用法上の違い


アスペクト助詞“了”が表す「動作が実現した」という意味は,新しい状況が発生したという解釈も可能なので,アスペクト助詞“了”と語気助詞“了”は意味が非常に似る場合もあります。

しかしその似た意味を表す場合でも,その用法には次のような違いがあります。

話の冒頭で,初めて何かを尋ねたり知らせたりする際には,語気助詞“了”を使います。


例えば「学校が夏休みに入ったんだ」という新しい話題を相手に振るときを考えましょう。

「学校が夏休みに入る」というのは双方にとってここでは新規の話題(と仮定する)、語気助詞「了」を使って次のように書きます。

我们学校放暑假了。
 wǒ men xué xiào fàng shǔ jià le
我们学校放暑假+了


新規の話題ではなく双方にとって既知の話題であるときはアスペクト助詞の「了」を使います。


例えば次の4つの文を見てください。

・你买什么了?
・我买书了。

→文末にある「語気助詞」

・你买了几本书?
・我买了五本书。

→動詞の直後にあるのでアスペクト助詞の「了」


最初の2行では初めての話題として切り出しているので,語気助詞“了”が用いられています。

それに対して、後半の2行では「本を買った」という話題は既知のことで,今度は「何冊買ったか」という具体的なことに話が進んでいますので,アスペクト助詞“了”が用いられています。

まとめ

アスペクト助詞“了”了1動作の実現・完了動詞(句)の直後
語気助詞“了”了2新状況の発生や変化文末


様々な難しいルールがありましたが、まずは上表に乗っている「」のもつコアとなる概念はしっかりつかみましょう。

あまり掘り下げると文法学者になっちゃいますので、さらっと「了の用法」をこのブログで学んでいただけたら幸いです。

それでは今回はこの辺で!ばいばい!

Leave a Reply

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

Related Post

程度補語程度補語

コンテンツ 補語シリーズの最後程度補語とは“得”があるタイプ “得”がないタイプ 補語シリーズの最後 前回は「様態補語」について解説させていただきました。まだチェックしてない方はチェックしてください。 さて今回はこの中国 […]

様態補語様態補語

コンテンツ 補語なのに主役様態補語とは何か様態補語の基本と注意すべき特徴様態補語のタイプ 補語なのに主役 前回は「特殊な可能補語」について学習しました。まだチェックしてない方はチェックしてください。 今回は補語のくせに文 […]