『成語』は覚えやすく覚えよう
中国語を学習している方にとって『成語』は最大の敵と言っても過言ではありません。日本で言ういわゆる4字熟語ですが、あまり日本人は4字熟語を会話の中で使いませんよね。
しかし話を聞いてみると中国人はたくさん成語を使うのだとか…。なるほど、どうやら避けては通れないようですね。
そこで今回はこのブログでHSKに必要な『成語』を紹介します。ただ「この成語の意味は〇〇」ってやっても仕方ないので、覚え易いように覚え方を提示しておきますのでご活用ください!
中にはちょっとしてエピソードを交えながらのものもありますので覚える際の参考にしていただければと思います。
※およそ10回に分けて、各記事では10個ずつ紹介していきますので焦らずゆっくりものにしていきましょう。また本記事に出てくる成語は「HSK6級単語トレーニングブック」に載っているものです。この本には成語+意味のみなので、本記事ではここに覚え易い工夫を私なりに付け加えたものを掲載していると考えてください。
成語の覚え方のオススメ
成語はただ覚えても良いのですが結構難しいです。いくら日本人といえども中国語はすべて漢字ですから頭が痛くなる時もしばしば…。
そこでこのブログではいくつか成語を覚える際に有効と考えられる覚え方を提示し、それを使いながら解説していきます。
①ゴリ押しで覚える、要はそのまま暗記
②漢字でバラして理解して、最後にくっつけて全体の意味を理解する
③成語は昔の物語から来ているものが多いため、その原文を百度などで探して楽しみながら覚える
④自分で勝手に解釈を作り、それを当てはめて覚える
基本的には②〜④を当ブログでは実践していきます。そのため時々僕の勝手な解釈が入ることがありますが、一つの覚えやすくするための工夫だと思って読んでください。それではいきましょう!
成語10個
✔︎ 爱不释手(ài bú shì shǒu )…大好きで手放せない、大事にとっておきたい
解説:まず「释手」は手を離す、と言う意味です。もっと言うと「释」と言う感じは釈放などの「釈」にあたります。ですから、解放するとか、離してやるとかいう意味が想像できると思います。中国語は時系列に文を並べると言う特徴があるので、【愛した結果→手が離せなくなった⇨「それぐらい大切なものである」】と言う解釈になっていったんですね。
✔︎ 拔苗助长(bá miáo zhù zhǎng)…せいては事を仕損じる
解説:これは漢字から容易に「苗を抜こうとして成長を助ける」と言うイメージが浮かぶと思います。これは一つのお話から来ていますので簡単に紹介します。
故事;春秋の時代、宋国のとある農夫が稲の成長が遅いことに嫌気をさし、どうにかして成長を早められないかと考えました。そこで彼は稲の苗を一本一本上に引き抜き、それを全ての稲にやってしまったのです。すべてやり切ったと言う疲労感から満足していた彼ですが、息子はそれを聞いて大慌てで田んぼに行きました。時すでに遅し…田んぼの稲は物の見事にすべて枯れてしまっていたのです。後に人は「拔苗助长」を、急いでことを成そうとすると返って失敗する、と言う喩えに使うようになったそうです。
✔︎ 半途而废(bàn tú ér fèi)…途中で投げ出す
解釈:これは漢字をバラして理解しましょう。(“而”には色々な意味があるのでここでは無視してください)
半途:道半ば、途中
废:日本語の「廃止」するの廃と言う漢字。止める、停止すると言う意味
つまり『道の途中で止める』→『途中で投げ出す』
✔︎ 饱经沧桑(bǎo jīng cāng sāng)…世の移り変わりを嫌と言うほど経験する
解釈:これもまずは分けましょう
饱;日本語の「飽和する」の「飽」→いっぱいあること、満たされていること
经;经验=経験するの「经」
つまりここまでは「饱经=いっぱい経験する、たくさん経験する」
沧桑;元は「沧海桑田」と言う成語の簡略。意味は「滄海変じて桑畑となる=広い海原が桑畑に変わる=世の中の移り変わりが激しいことのたとえ」
よって、饱经沧桑=『世の中の激しい移り変わりをたくさん経験する』と言う意味
✔︎ 博大精深(bó dà jīng shēn)…(知識、学問、思想等が)広く深い
解釈:「博」は博識のこと。博識が、大きく精密で深い(大精深)こと。これは簡単ですね。
✔︎ 不可思议(bù kě sī yì)…不思議である、理解できない
解釈:日本語の「不可思議」
✔︎ 不相上下(bù xiāng shàng xià)…優劣がない、似たり寄ったり
解釈:「相」という漢字は中国語では相信,互相などに見られますが、もう一つ「相比=(両方を)比べる、比較する」と言う意味でもよく使われます。例えば「和〇〇相比的话=〇〇と比べるとすれば」などと言った感じです。つまり
不相=比較しない、比べない
不相上下=上下を比べない=「優劣がない、似たり寄ったり」と言う意味になります。
✔︎ 不屑一顾(bú xiè yī gù)…一顧だに値しない、見向きもしない
解釈:これは新しく単語を紹介します。
「不屑」は〜する価値が無いと言う意味の極度に軽蔑した意味を持つ単語です。
「一顾」の「一」は言葉の通り「一回」ですね。「顾」は例えば「照顾=面倒を見る」や「顾虑=配慮する、心配する」からわかる通り『何かを見る、気に掛ける』と言う意味です。つまり「一顾=一度見る、一度気にする、一回気に掛ける」と言った意味になります。これを合わせると
不屑一顾=一度も見る(一顾)、価値が無い(不屑)となります。
✔︎ 不言而喻(bù yán ér yù)…言うまでもない、言わずと知れたこと
解釈:これも分解しましょう。
不言:言葉は不要、言葉がなくても
而:ここでは逆説の意味に近いです。「例え〜でも」“而”には“就”同様、用法がたくさんあるのでここではあまり気にしなくて大丈夫です。
喻:日本語の「諭す」にあたり、説明する、そこから転じて理解すると言う意味もある。比喩の喩も近く、要は比べて説明すると言う意味である。
つまり、言葉がなくても(不言)説明ができ、そして理解できる(喻)と解釈ができる。
✔︎ 不择手段(bù zé shǒu duàn)…手段を選ばない
解釈:「择」は皆さんご存知「选择=選ぶ」の「择」、つまり「選ぶ、選択する」と言う意味がある。つまり「不择=選ばない」。
手段はそのままなので、これは漢字の通り解釈が可能
まとめ
✔︎ 爱不释手…大好きで手放せない、大事にとっておきたい
✔︎ 拔苗助长…せいては事を仕損じる
✔︎ 半途而废…途中で投げ出す
✔︎ 饱经沧桑…世の移り変わりを嫌と言うほど経験する
✔︎ 博大精深…(知識、学問、思想等が)広く深い
✔︎ 不可思议…不思議である、理解できない
✔︎ 不相上下…優劣がない、似たり寄ったり
✔︎ 不屑一顾…一顧だに値しない、見向きもしない
✔︎ 不言而喻…言うまでもない、言わずと知れたこと
✔︎ 不择手段…手段を選ばない
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今回紹介した成語を本気で覚えたい方はご活用ください。
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さて今回はこの辺で❗️また次回もお楽しみに、バイバイ👋