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中国語には後置修飾表現があるらしい…。

中国語にも後置修飾はある

突然ですが皆さん、次の3つの文章を見てください。

①:我没有时间去旅游。
(私は旅行に行く時間がない。)

②:我有钱买新出的游戏。
(私は新作のゲームを買うお金がある。)

③:我有件事跟你商量。
(あなたに相談することがあります。)

上の三つの文章を読んだときすぐさま「後置修飾」が頭に浮かび構文を取れた方はここで読むのを終えていただいて構いません。次項から本題に入っていきます。

前置修飾と後置修飾

修飾とはざっくり言うと、修飾される側に何か語を加えてより詳しく説明してあげることですが、日本語は前置修飾なことは皆さん周知の通りと思います。

・【赤い】花瓶
・【黒いコートを着た】男
・【父が買ってくれた】腕時計
*【】で囲われているのが修飾語(修飾する側)です。

上の例のように【】内の語は前から後ろにそれぞれ花瓶・男・腕時計がどんなものなのかその説明をしているわけです。

一方英語は単一の形容詞や副詞は前置修飾ですが、節になると関係詞などを使って後置修飾文で書きます。どういうことかと言うと…

・a 【red】 vase
・a man 【wearing a black coat】
・a watch 【that my father bought me】

上のように一番目は「red=赤い」は前から「vase=花瓶」を修飾していますが(前置修飾)、二番・三番目の文章は【】内の修飾語は後ろから前にかかっています。

こういった対象を後ろから修飾するものを後置修飾、前から修飾するものを前置修飾と呼びます。

では中国語はどうでしょうか?

中国語は一部(例えば、動作量動詞など)を除けば多くが前置修飾として成り立っています。先ほどの例で言うと…

・【红色的】花瓶
・【穿着黑色的上衣的】男人
・【我爸爸买给我的】手表

いかがでしょうか?上記のように形容詞や副詞、フレーズ、文などを修飾語として扱う場合前置修飾の形をとり、しばしば「的」をつけて書くのが基本です。「男人穿着黑色的上衣」とか「手表我爸爸买给我的」とかは言わないわけです。
*「男人穿着黑色的上衣」なんかはそもそも「男性が黒いコートを着ている」というここで言う修飾とは関係ない普通の文章になっちゃいましたね。

このように中国語は基本的に前置修飾をとる言語なわけですが、冒頭で述べたように英語のように後置修飾を取る文が成立する場面があるのです。

この用法を使いこなせるようになると自然な文章に一歩近づきますのでじっくり見ていきましょう。

中国語の後置修飾

それでは本題の中国語の後置修飾文についてですが冒頭の例文3つをもう一度確認してみましょう。

①:我没有时间去旅游。
(私は旅行に行く時間がない。)

②:我有钱买新出的游戏。
(私は新作のゲームを買うお金がある。)

③:我有件事跟你商量。
(あなたに相談することがあります。)

まずは①を確認していくと以下の画像のような関係になっている事がわかります。

青色の「去旅游」が赤色の「时间」を『後ろ→前』に修飾しているのがわかります。

これは②・③においても同様で、
②:「买新出的游戏」が「钱」を後ろから修飾
③:「跟你商量」が「(一)件事」を後ろから修飾
と言う構造になっているのがわかると思います。

このように中国語でも英語同様、後ろから修飾という形を取れるわけですが一つルールがあります。それは

“有/没有”を伴った文であること

確かに上の例文を見ても全てに“有/没有”が入っているのがわかります。何でもかんでも後置修飾ができるわけではないのですね。(中国語は基本は前置修飾!)

ここでちょっと補足ですが、東京外国語大学言語モジュールの連動文の説明では、以下のように記載があります。

連動文の説明(5)において
前に動詞“有”を使うもの。(この場合後置修飾語のような意味関係になります。)
例:我有件事跟你商量。(私はあなたに相談することがあります。)

太字で「この場合後置修飾語のような意味関係になります。」と“ような”と書いてあるので、もしかしたら正式に文法成分としての後置修飾機能は中国語にはないのかもしれませんね。

その辺は調べるとかなりコアな話になってきそうなので一旦はこの辺で切ります。

まとめ(練習問題)

それでは最後は3つほど練習問題を解いて終わりにしましよう!あなたは訳せますか?

問1:私には国民を守る義務がある。

問2:彼女は中国留学に行くチャンスが無かった。

問3:天気予報によると明日は雨が降る可能性がある。

答え」
問1:我有责任保护国民。

問2:她没有机会去中国留学。

問3:天气预报说,明天有可能下雨。

さて最後にまとめです!

まとめ

・中国語にも後置修飾がある。(“有/没有”の時)
・後置修飾の際は修飾されるものが先に来て、修飾するものが後ろにくる。
・訳すときは後ろから訳すと良い

この後置修飾のような文章はネイティブによっては前置修飾で「的」を使って書いた際と大差ないという意見もありますが中検2級でもHSKでも必要になる文法事項なのでぜひ使えるようにしてみてください。

それではまた次回!作文講座と発音講座もチェックしてね!

 

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