中国語には中国語の特徴がある

これから中国語を学びたい!
皆さんこんにちはShuです。
今回はこれから中国語学習を始めようと思っている方へ向けて、中国語のもな特徴を4つに分類して紹介していきたいと思います。
新しく言語を勉強するなら、やみくもに始めるよりもその言語の特徴を理解しておいた方がいいです。
なぜなら各言語の持つ特徴を理解すれば自ずと、どこに力を入れて学習すればいいのかが見えてくるからです。
中国語の勉強を始める前にまずはこの記事で中国語の主な特徴について学びましょう。
中国語は発音が難しい
中国語は発音が最初で最後の難関と呼ばれるほど難しいです。
発音が難しいと言われる理由は主に二つあります。それは
・日本語にない発音が多すぎる
・声調がある
日本語は基本の50音に加えて濁音なども合わせて約100の音を使って話しています。
それに比べて中国語はピンインと呼ばれるアルファベット表記を使って発音を表し、その数は約400に登ります。後述する声調は4種類ありますから、単純計算でも1600ほどの発音があります。これだけでも中国語の難しさがわかると思います。
もう一つは先ほどあげたように声調があることです。

中国語はタイ語などと同じ声調言語という部類に入り、わかりやすく言えばイントネーションのようなものでしょうか。
日本語にも箸と橋に代表されるイントーネーションの違いによって起こる意味の変化はありますが、正直中国語の方が100倍厳密で難しいです。
声調は主に4種類あり、この中でも1声と4声、2声と3声の区別が難しいと感じる方が多いようです。声調が変わると相手が想起する漢字が変わり、結果として意味も大きく変わるので、中国語学習において発音練習というのは絶対に欠かせないものなんですね。
声調の全パターン練習がしたい方は下記事をクリック⇩
ちなみに:英語界隈ではよく『発音を気にせず、カタカナ英語でもいいからどんどん話せ!』という意見をよく聞きますが、中国語においてはカタカナ発音は絶対にやめた方がいいです。まず発音に厳格な言語であるため、正しい発音じゃないと相手に通じません。ごく稀に「カタカナ発音でも通じる!」などと言う意見も見ますが、“你好”などの超基礎的な挨拶だけだったりするので騙されないでください。もし円滑なコミュニケーションができるようになることが目標でしたら、最初の発音だけはお金を払ってでも発音ができる方に指導をお願いした方がいいです。
中国語は漢字である
今更何を言ってるんだ?と思われるかもしれませんが強調しておきます。

中国語は全部漢字です!
なぜここで当たり前なことをあげたかと言うと、実はこの「漢字」を使う言語であると言うことが日本人にとって良いように働く面と悪いように働く面があるからです。
・読解で点数が取りやすい(検定試験など)
・単語を知らなくても意味が想像できることが多い
・表意文字の特徴を生かして単語を覚えることができる
なんと言っても日本語にも漢字があるので、読解で点数が取りやすいです。また読み物などでわからない単語に遭遇した時に意味を想像できることが多いのも日本人としてのメリットでしょう。
それからこれは単語を覚える際のちょっとした工夫ですが、漢字は音では無く意味を表す表意文字であり、基本中国語においては漢字1つにつき発音は1つしかありません(品詞や地域によって変わるものもごく一部あります)
ですから、覚えた単語数が多ければ多いほど、次の単語を覚える際に覚えやすくなります。以下の画像がいい例です。

もし「电视=テレビ」と「影响=影響」と言う単語をすでに知っているのなら「电」と「影」を合わせて「电影=映画」と言う単語を作ることができます。
すでに知っている漢字同士を組みわせるだけですから、この際に単語を覚えるのに使う労力はごくわずかになります。
これは一つの工夫になりますので単語を覚える際に参考にしてみてください。
・実力以上に読解で点数が取れるので勘違いしやすい
・見てわかるけど発音がわからない単語が多くなる
・日本語の漢字の意味と違う時がある
しかしながら漢字であるが故にマイナスに働くこともあります。
まず本来であれば、漢字圏でない国の人たちは漢字とピンインの学習から始めなくてはいけません。しかし、日本人は日常的に漢字を使用しており、慣れているため、中国語学習の8割と言われる漢字をすでにクリアしているんですね。
ただし、逆に日本語は音が少ない言語であるため発音を苦手とする人たちが多いことに加え、国民性からなのかはわかりませんが文法や読解練習を先にする人が多く、その結果試験などで、
『読解はできるけどリスニングやスピーキングは全くできない』
と言う方が後を立ちません。つまり本来の実力(ここでは4技能のバランスを指します)よりも遥かに高い点数が出てしまうため、正確に自分の中国語力を図ることが難しくなります。
他にも先ほどと関連して、「見てわかるけど発音ができない」と言う単語が多くなってしまうのも悩み所です。
というのも単語練習の段階で、『これはもう知っているな』と漢字の形と意味だけをみて判断して『覚えた』と思ってしまうことが頻繁にあるからです。大切なのは『漢字の形・発音・意味』をセットで覚えることです。
そしていくら漢字と言えども、日本の漢字と形は似ているが意味が違う単語もそこそこ多く存在しますので、その点も意識しなくてはいけません。漢字が読めることが仇となり、誤解してしまうことも少なくありません。
例:不要勉强(“無理しないで”という意味です。)
中国語は孤立語である
統語論という言語学的考え方がありまして、実は中国語はその中でも孤立語という部類に入ります。
孤立語というのは簡単にいうと
『単語が語形変化を起こすことはなく、文法的関係が語順によって表される言語』のこと。
ヨーロッパ言語に多い屈折語は活用変化が多いですし、日本語や韓国語に代表される膠着語は助詞の働きや語尾変化の働きが大きく、学習者が正確に使いこなすにはかなりの時間がかかります。
・【膠着語】:日本語や韓国語に代表される、助詞や接頭辞、接尾語などを語につけて文法的関係を表す言語
・【屈折語】:主にラテン語に代表され、英語やスペイン語など単語が語形変化を起こして文法的関係を示す言語
しかし、一方で中国語に代表される孤立語は『単語が変化』しないというのが最大の利点です。
英語では[go went gone]と現在・過去・未来で動詞の形が変わったりしますが、中国語では「行く」はどの時制・主語でも「去」なのです。
その代わり文脈に頼る場面も多くなりますが、単語が形を変えないのは他の言語を学習されたことのある方ならいかに学習者にとって楽かどうかわかると思います。
孤立語に関して詳しく知りたい方は下をクリック⬇︎
中国語には種類がたくさんある
文字の面から見れば主に2種類、発音(いわゆる方言等)の違いを考慮すると正確に把握できないほど中国語は多様です。
まず文字の面から言うと簡体字と繁体字があります。
簡体字:主に中国大陸本土で使われている文字。名前の通り漢字の形が簡素なものがほとんで書くのが非常に楽。日本の大学の授業やHSK、中検は基本的に簡体字を使用しています。
繁体字:台湾、香港、マカオ、マレーシアなどで幅広く使われている文字。日本語の漢字と同じような画数の多い複雑なものが多い印象。HSKや中検でも使用することは可能であるが混合はNGなのと、問題文は繁体字ではないので注意が必要。しかし台湾・香港に興味がある人には必須!
比較例といえばこんな感じ
簡体字:中国的习惯和日本的习惯差距很大。比如说中国人都大声说话。特别是女人生气的时候,公司里,店里,城市里,不管在哪里都大喊大叫。为什么呢?,因为中国辽阔,人口过剩。
繁体字:中國的習慣和日本的習慣差距很大。比如說中國人都大聲說話。特別是女人生氣的時候,公司裡,店裡,城市裡,不管在哪裡都大喊大叫。為什麼呢?,因為中國遼闊,人口過剩。
どちらを学ぶかはみなさんの自由ですし、どちらも大事なのは確かです。
例えば、以前紹介したアニメで中国語を勉強するというに関して言えば、基本的にYoutubeでは中国大陸本土版(簡体字字幕)のものは無いですし、あっても見流ことはできません。
これは中国ではYoutubeに接続するにはVPNというものを使わなくてはならず、中国には中国独自の動画プラットフォームが発展しているからです。
ですから、アニメで中国語を勉強する際には台湾版を見る以外に選択肢が無く、そうすると字幕は繁体字ですから、結局繁体字もある程度学習しなくてはいけません。(と言っても慣れなので腰を据えて繁体字・簡体字を勉強し直すことはあまりしなくても良いかもしれません)
簡体字・繁体字どちらを学ぶかは皆さんの必要性や興味に合わせていただけたらと思います。
次に発音についてです。

発音って北方と南方で違うんでしょ?!
よく目にするテーマですが、中国人内でも興味ある題材としてYoutube等で取り上げられています。ご存知の通り中国は広いので、地域によって文化も習慣も違いますし、特に発音や方言にも大きな違いがあります。
どこの地域はこーいう発音!とは決して言えないのですが、初心者の方に知っておいて欲しい事といえば大陸と台湾の発音の違いでしょう。
1番の大きな違いは『そり舌』があるかどうかの違いでしょうか。
普通語(主にHSKや中検等で使う方)は『zhi , chi , shi 』のように下をそって音を出す『そり舌』というものがあります。実はこの『そり舌』をマスターすることが一番の難関だったりするのですが、このそり舌が正しくできると綺麗な発音に聞こえます。
一方台湾華語ではこのそり舌が極めて弱いです。台湾華語に限らず大陸でも南方はこのそり舌をあまり意識しないことが多く、それ故に先ほどの『zhi , chi , shi』が『zi , ci ,si』に聞こえます。これが良いのか悪いのかは皆さん自身ですが、普通語に慣れていると南方の人の中国語を聞いた時「???」ってなることがあります。
経験としては台湾の方とバイト先でお話をしていた時、その方が
彼:『sān tián君は本当仕事ができるよね〜』
私:『三田くん?って誰だ。そんな人バイト先にいないぞ…』
彼:『山田君だよ〜』

台湾華語では先ほど言ったように『そり舌』が極めて弱いために、『shan=山』が『san=三』に聞こえてしまったのです。
これはほんの一例であり、ネイティブ同士なら会話をする上でほとんど問題にはなりませんが、学習者の方は知っておいても良いかと思います。
他にも、方言という範囲で見るなら上海語、福建語、広東語、客家語、四川語など、もはや私たちが通常学ぶ普通語とは方言と呼べないぐらいかけ離れたものも存在します。
ですから、これから学習を始める方にオススメするのは『まずは普通語をやりましょう』ということです。HSKや中検が普通語(簡体字)なので、一番オーソドックスかなと思います。
しかし、あくまでも皆さんの必要性と興味を優先させて決めてくださいね!
中国語の特徴を知ったら学習に生かそう!
さて、ここまで大まかな中国語の特徴を4つほど紹介しましたのでまとめておきます。
・中国語は発音が難しい
・中国語は漢字である
・中国語は孤立語である
・中国語には種類がいっぱいある
これを踏まえた上で、中国語を勉強する際に優先すべきことはやはり『発音』であると感じます。
多くの中国語学習者(短期間で話せるようになっている人たち)は発音をしっかりやっています。最低でも1ヶ月、発音だけに力を入れましょう。
独学で適当にやった方と、しっかり発音からやった人では後々の中国語力に雲泥の差がであるので発音はお金を払ってでもちゃんとマスターしましょう!
さて、今回はこの辺で、また次回お会いしましょう、バイバイ👋