中国語初級文法②

所在の「在」と方位詞「上、里、下」

所在の【在】と方位詞


前回は名詞述語文について学習しました。

まだ読んでいない方はチェックしてください。

さて今回は中国語の所在を表す「在」を学習しましょう。

「在」は所在以外にも介詞や進行を表すものがありますが今回は焦らず所在のみを勉強しましょう。

「在」って何?


中国語の「在」は特定の人や物がどこに所在しているかを表す文法になります。

語順は、「特定の人や物+在+場所」になり、在の後ろに場所が来ます。


この場合の「在」は動詞になりますので、疑問文・否定文を作るときは動詞述語文と同様な形になります。

それでは例文を3つ見ていきましょう。

他的手机在桌子上。
 tā de shǒu jī zài zhuō zǐ shang
 彼の携帯は机の上にある。

张老师在教室里吗?
 zhāng lǎo shī zài jiào shì li ma 
 張先生は教室にいますか?

孩子们不在树下,他们在家里。
 hái zǐ men bú zài shù xia   tā men zài jiā li  
 子供たちは木の下にいませんよ、家の中です。


方位詞


上の例文を見て何か気づきませんでしたか?

そうです、場所を表す「 桌子教室 」などの後ろに「上、里、下」がついています。

実は所在を表す在を使うときはこの「方位詞」というものを使います。

方位詞に関しては少し長くなるのでこの記事内ではすべては扱わずメインの3つを扱います。

場所化の「方位詞」


上の例文は所在を表す在と用いた例文になっていますが、実はよく考えると「机、教室、木」というのは場所ではありません。

(教室は場所だろ!と思われるかもしれませんが一応ただの名詞としてここでは扱います、ただし詳しくは補足をご覧ください。)

最初に「在」の後ろには場所を表す表現が来ると述べました。しかし、もし以下のような例文だと場所を表す単語がありません。

他的手机在桌子
 tā de shǒu jī zài zhuō zǐ


そこで活躍するのが「上、里、下」などの方位詞です。

これを名詞の後ろにつけることである名詞を「場所化」できるのです!


場所化をした正しい文がこちら

他的手机在桌子上 。→これならOK
 tā de shǒu jī zài zhuō zǐ shang


ちなみに、

  • →ある名詞の上にあることを表す。机の上や木の上、ベットの上など
  • →ある名詞の中にあることを表す。カバンの中、冷蔵庫の中など
  • →ある名詞の下にあることを表す。机の下、木の下など

方位詞はたくさん種類がありますが、まずはこの三つの方位詞と場所化という概念を抑えてください。方位詞については別記事にて詳しく扱います。

補足①;実は教室や家、オフィスなど、名詞それ自体が場所を表す場合は方位詞をつけてもつけなくても大丈夫です。しかしながら最初のうちはつけるようにしましょう。

補足②;また、日本や中国、北京や東京など固有名詞的な場所を表す単語にはこの場所化を表す単語「上や里」などをつけてはいけないので注意してください。


人の場所化


人の場所化とは例えば「私のところ」や「彼女のところ」など言う際に使う表現です。

書き方は簡単で「人 + 这儿/那儿」とするだけです。


例文を二つ見て見ましょう

昨天你说的书不在我这儿,可能在教室里。
 zuó tiān nǐ shuō de shū bú zài wǒ zhè ér   kě néng zài jiào shì li
 昨日君が話してた本は僕のところには無いよ、たぶん教室じゃない?

你去她那儿吧。
 nǐ qù tā nà ér ba
 君は彼女のところに行きな。


存在の「有」と所在の「在」の違い


以前別記事にて所有の有と存在の有を学習しました。

https://shublog0203.com/%e4%b8%ad%e5%9b%bd%e8%aa%9e-%e6%9c%89-%e4%bd%bf%e3%81%84%e6%96%b9?preview_id=698&preview_nonce=4f644d5d01&preview=true&_thumbnail_id=699

ここにも同じ「存在」を表す表現が出ています。

では、この存在の有と今回の「在」は何が違うのでしょうか?

まず冒頭の存在の「在」の説明をご覧ください。

中国語の「在」は特定の人や物がどこに所在しているかを表す文法になります。

そして存在の有の説明はこちら

存在の“有”における目的語は普通人やモノですが、原則的に「不特定・未知のもの」になります。


これを踏まえて例文を比較してみましょう。

钱包里有钱。→(何かしらの金が)財布にある
 qián bāo li yǒu qián

・钱在钱包里。
(例のその金が)財布にある
 qián zài qián bāo li  


また例えば人称代名詞「彼、彼女」などを使って「彼が教室にいる」などと言うときは、基本的には「彼」は話し手も聞き手も彼が誰かは知っているわけですから、特定の人や人物がどこにいるかを表す存在の「在」を使います。

◎他在教室里。
 tā zài jiào shì li  
✖教室里有他。

 jiào shì li yǒu tā  


まとめ


POINT

  • 「在」は特定の人や物がどこに所在しているかを表す
  • 所在を表す在を使うときはこの「方位詞」 を使う
  • 「上、里、下」 は名詞を場所化できる
  • 存在の“有”における人やモノ は不特定・未知のものである
  • 存在の「在」が使えて存在の「有」が使えないことがあるので注意

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