“是~的”構文

中国語 “是~的”構文について詳しく解説

今回は「是~的」構文についてです

前回は「使役構文」について学習しました。まだチェックしてない方はチェックしてください。

皆さんは「是~的」構文という言葉を聞いたことはありますか? 中国語文法においてこれまた重要なものなのですが、

そもそもこの存在を知らないと並び替え問題や読解で「え?なんでここに“是”があるんだ?」といった状況になってしまいます。 百聞は一見に如かずということでまずは 是~的構文の例を見て見ましょう。

他是什么时候来日本的?
 
Tā shì shénme shíhou lái Rìběn de?
 訳:彼はいつ日本に来たの?


ん?どうして「 是~的 」が入ったの?いらなくね? 他什么时候来日本?と何が違うの?と思った方もいるでしょう。それではまず 是~的構文 の一番重要なイメージからお話しておきます。

是~的構文 の原則

まず、 是~的構文の原則は次の通りです。

ある動作・行為が実現済みであることを話す人、聞く人の両者が知っていることが前提で、その動作・行為がいつ(時間)、どこで(場所)、どうやって(方法)、何のために(目的)、なぜ(理由)、誰(動作主)が行ったのかについて、特に取り立てて強調して述べる文のことです。 まずはこの点を抑えましょう。わかりづらいのでリストにすると以下の通り

ある動作・行為が実現済みである「過去について述べる」
話す人、聞く人の両者が1を知っていることが前提
いつ(時間)、どこで(場所)、どうやって(方法)、何のために(目的)、なぜ(理由)、誰(動作主)が行ったのか を取り立てて強調する


この中のどれかに当てはまらなければ 是~的構文 は使えないので注意しましょう。それでは例文を見てその使い方を確認しましょう。

・他是从东京来的。
 tā shì cóng dōng jīng lái de
 彼は東京から来た。

解釈
①彼の存在と別の場所から来たということは話し手・聞き手双方が共有して認識していることである。
②そのうえで話し手は「東京から来た」ということを特に強調している。


では 是~的構文 を使わないで書くとどうなるのでしょうか?

他从东京来。
 tā cóng dōng jīng lái

解釈
これは「彼は東京から来る」→未来のことになってしまうので意味が全く変わってしまうので注意してください。


この例からわかる通りまず「是~的」構文は先ほどのリストの1の通り ある動作・行為が実現済みである「過去について述べる」という特徴があるので 是~的 を使う使わないでどのような意味に変化があるのか抑えましょう。

ちなみに、この 是~的構文 ですが 「是 」の部分は省略することも多く

他从东京来的
 tā cóng dōng jīng lái de
 彼は東京から来た
→「」の省略


ここでいったんわかりやすくそれぞれの違いをリストにしておきます。

他是从东京来的 。→「彼は東京から来た」実現済み
他从东京来的 。→「彼は東京から来た」( 「是 」 省略バージョン)
他从东京来 。→「彼は東京から来る」未来


これを踏まえたうえで、彼=ここでは高橋君、に関していくつか 是~的構文 を使って文を作ってみようと思います。

・ 高桥什么时候来
 gāo qiáo shì shén me shí hòu lái de
 高橋君はいつ来たの?
→「いつ来た?」を強調

・高桥怎么来这儿
 gāo qiáo shì zěn me lái zhè ér de
 高橋君はここにどうやって来たんだい?
→「どうやって来た?」を強調

・高桥坐地铁来
 gāo qiáo shì zuò dì tiě lái de
 高橋君は地下鉄に乗ってきました。
→「地下鉄に乗ってきた」を強調


これで冒頭で述べた 「他是什么时候来日本的? 」と 「他什么时候来日本?」の違いがわかりましたね 。

他是什么时候来日本的?
→「彼はいつ日本に来たんですか」実現済み
→「いつ来たのか?」ということを取り立てて強調

他什么时候来日本?
→「彼はいつ日本に来るの」未来


目的語の位置


次の注意事項は「目的語」の位置になります。目的語は日本語で「を」や「に」がつくものになります。日本語と中国語で対応させると下の通りで、これが目的語です。例えば、 (縦に読んでください。)

日:「私はプレゼントを高橋君にあげた」

・私は(主語)
・プレゼント「を」(目的語①
・高橋君「に」(目的語②
・あげた(述語)。

中:「我送给高桥一个礼物」

・我(主語)
・送给(述語)
・高桥(目的語②
・一个礼物(目的語①)。


さて基本的には 「是~的構文 」 を使った時の目的語の位置はそれほど気にしなくてもいいのですが、知識としてルールを知っておきましょう。

“是~的”構文において動詞が目的語を伴っていた場合,その目的語は“的”の後ろに置かれること「も」あります。基本的には大きな意味の違いはありません。
ただ目的語が人称代名詞の場合は“的”の後ろに置くことはできません。


例えば

・我是在东京买的照相机。
 wǒ shì zài dōng jīng mǎi de zhào xiàng jī

・我是在东京买照相机的
 wǒ shì zài dōng jīng mǎi zhào xiàng jī de

これは目的語 「照相机」→カメラ を の前においても後ろにおいても問題はありません。


しかしこの目的語が人称代名詞「彼、彼女、彼ら」などである場合は注意が必要です。

◎我是在学校门口看见他的
 wǒ shì zài xué xiào mén kǒu kàn jiàn tā de  
     
✖我是在学校门口看见的他
 wǒ shì zài xué xiào mén kǒu kàn jiàn de  


この点はぜひ注意してください。ただ難しければ「 」の前に目的語をおいておけばとりあえずは問題ないでしょつ。

もう一つの 是~的構文

ここで学習した“是~的”構文のほかに,
話し手の見解・態度を断定的に言い表すもう1つの“是~的”構文があります。

と言っても、上で説明した 是~的 が無いと意味が未来になってしまう場合と比べて、この場合はもはや「 是~的 」があろうがなかろうが意味の変化はないので安心してください。

例文; 这个问题,我们也很注意
   Zhège wèntí,wǒmen yě shì hěn zhùyì de.
   この問題は我々も注意を払っている


これは話し手である「我々」がこの問題に対して「注意を払ってるぞ!」という態度を断定的に示している例になります。 この場合は 「 是~的 」 が無くても意味に対した変化はありません。

例文;这个问题,我们也很注意。
   この問題は我々も注意を払っている


まとめ

“是~的”構文まとめ

①:「是~的」構文とは、ある動作・行為が実現済みであることを話す人、聞く人の両者が知っていることが前提で、その動作・行為がいつ(時間)、どこで(場所)、どうやって(方法)、何のために(目的)、なぜ(理由)、誰(動作主)が行ったのかについて、特に取り立てて強調して述べる文のことです。

②:“是~的”構文において動詞が目的語を伴っていた場合,その目的語は“的”の後ろに置かれること「も」あります。基本的には大きな意味の違いはありません。
ただ目的語が人称代名詞の場合は“的”の後ろに置くことはできません。

③:話し手の見解・態度を断定的に言い表すもう1つの“是~的”構文があります。

ABOUT ME
SHU
現役東京外大生がお送りするShuBlogは中国語学習者に向けたコンテンツを発信しています。他にもTwitter、Youtube、Instragram等でも積極的に活動していますので是非覗いてみてください。