未分類

単語を覚えるのが上手い人は自分で小テストを行なっている

単語が覚えられない

中国語にしろ、英語にしろ、語学で避けて通れないが単語の暗記です。単語でも、フレーズでも、ある程度の蓄積が頭にないと会話になりません。

また会話ができていると思っても、段々と自分の語彙力の無さに苛まれ、「なんかいつも同じような単語・表現を使っちゃってるな…」と自分の実力が思っていたよりも伸びていないことに突然気づくなんてこともあります。

単語学習は学習初期から上級者になってからも絶えず継続すべきです。しかし、口では簡単に言えても、実際に記憶するのは容易ではありません。語学学習の全体の中で、単語暗記ほど辛く、しかし重要な要素は他にはないのではないでしょうか。

今回はそんな単語学習に関するお話しと、ちょっとしたおすすめの学習方法、そして中国語の単語帳を紹介します。

残念ながら「寝る前に5分で!」とかいう斬新性もありませんし、新規性もありませんが、現在単語学習で苦労されている方の役に立てれば幸いです。

単語が覚えられる人

中学・高校では英語の単語テストがありました。中学ではたまに、高校では毎週です。単語帳を必死に暗記をしては、ペーパーに向き合い日本語から英語を答え、スペルミスで満点を逃したり、英単語自体が出てこず凹んだりしていました。

大学生または社会人になってから、こういった小テストを経験することはほとんど無くなったという人は多いのではないでしょうか。それは単に忙しいから、時間がないから、気力がないから、色々な理由があると思います。

しかしこの小テスト、これは実力チェックという意味合いのほかに「何を知っていて、何を知らないのか」を区別するという非常に重要な役割があります。皆さんはそのことを意識していますでしょうか。

単語を覚えられる人と、いつまで経っても覚えられない人の違いはいくつか挙げられます。例えば、単語を覚えられる人の特徴としては、①勉強に費やせる時間がある、②記憶力が良い、③日常的にその言語で生活している、④やらねばならない理由がある、などでしょう。一言で済ませれば「単語学習かける時間が長い」からかもしれません。

しかし、その中でも単語暗記が上手い人がいます。そういう人は意識的・無意識的にあることを行えます。それは

自分の中で常に小テストを行う

人によっては書いてるかもしれませんし、人によっては書いてないかもしれません。しかし単語暗記が上手い人は小テストの目的意識を持って上手に利用しています。

単語暗記における小テスト

『インプットしたらアウトプットしなくてはいけない』

語学をやっている方なら耳にタコができるほど聞いたセリフでしょう。インプットだけの知識は意外にもすぐに忘れ、普段使う単語とか、馴染みがあって作文や会話などで選びやすい単語は長期記憶していつまで経っても覚えています。

インプットした知識を確実に定着させるにはアウトプットが非常に有効です。科学的根拠とかは置いておいて、多くの人が感じることでしょう。

アウトプットは色々ありますが、実際に作文や会話で使ったりすることもアウトプットですし、脳内で言いたいことを外国語に訳すこともアウトプットです。とにかく積極的に単語を思い出し、話したり書いたりすること、つまり自分から(脳内から)引っ張り出す作業を行うことが大切なのです。

小テストはこの引っ張り出そうと努力する作業のために非常に有効です。しかも、それだけでなく前の方で述べた「何を知っていて、何を知らないのか」を区別するためにも役立ちます。

基本的に既に覚えた単語は、テスト前などの確認等を除いてそれ以上やる必要はないと思います。それよりも「不完全記憶な単語」を完全記憶にする作業に時間を当てるべきです。

しかし単語帳をペラペラめくっているだけだと、レイアウトによってはすぐに日本語が目に入ったり、例文や類義語などのヒントがあったりして「本当に覚えているのか」という確認作業自体が曖昧になってしまいます。

これを上手く工夫し、自分なりに小テストを行える人が単語学習が上手い人です。少なくとも私はそう思っています。では、実際に単語を覚えるのが上手い人はどんな小テストを行なっているのでしょうか?私の知人の例をいくつか挙げてみましょう。

単語学習の小テストの方法

Aさん:毎日通勤電車の中で100単語を目標に目を通しています。音声を聴きながら基本的には単語とその意味だけを確認しています。帰宅してから身体を休め、寝る前の10分間で赤シートで単語を隠して日本語を答える小テストを実施しています。答えられなかった部分は小さな紙にまとめ、翌朝電車の中で次の100個と一緒に確認しています。

Bさん:1週間で200個を目標にして、毎週日曜日に確認テストを行なっています。半分以上答えられない場合は翌週も同様の200個を学習するというルールを設けています。やり方は、30分ほど時間をかけてwordで覚えたい単語の日本語だけをリストにしたものを作りテスト用紙とします。普段は単語帳で学習し、日曜日にその日本語が書かれた用紙を使って日本語の下に単語を答えてきます。不正解だった部分は単語帳本体に印をつけ、翌週も暇があれば見るようにします。

Cさん:私は単語帳を買ったら、まずは全ての単語をテストします。というのも単語帳以外の参考書や、ネイティブとの会話の中で学んだ単語などは既に頭に入っているものとし、もう一度単語帳で学び直す意味はないと思ったからです。1000語ある単語帳に最初の3日ほどでサッと目を通し、知っているものを除外します。上手く行く時は300語ほど削れました。あとは残りの700個を中心に学習し、覚えたものをどんどん削っていきます。削るタイミングは1ヶ月に1回テスト日を決めて、最初のようにチェックがついている単語全てに目を通しスクリーニングします。最初は知らないものにチェックマークを一つ、次はもう一つという風に増やしていくと、いつまで経っても覚えの悪い単語が浮き彫りになってきます。あとは集中的に覚えていくだけです。

Aさん・Bさん・Cさん、いずれの人も自分なりにルールを決めて必ず小テストを実施していることがわかります。人によっては小テストと呼ばないだけで、同じようなことをやっている人もいるかもしれません。

彼らに共通するのは小テストによって

  1. 自分の“知らない”を知ろうと努力する
  2. 自分の生活に合わせてテスト日を設定している
  3. “知らない”ものを集中的に叩く

ということです。敵を知るにはまず己から、とでも言えましょうか、愚直に自分の“知らない”を“知っている”に変えようとする努力は非常に見習うべきことだと思います。

見落として欲しくないのは、②の『自分の生活に合わせてテスト日を設定している』というところです。所属する組織の立場や身分、家族での役割、他にやるべき事の存在などによって一つの学習に費やされる時間は限られてきます。

自分のキャパシティを把握した上で、1日または1週間でどれくらいの時間が単語に使えるのか、自分が好きな小テストの実施方法はどんなものがあるのか、その点は始める前に考えた方が良いでしょう。

私の中国語単語学習方法

私の場合は上のBさんの方法に近い手段をとっています。やり方は以下の通りです。

  • 単語の日本語訳をだけを抽出したリストを作りPDFで印刷する
  • 普段は単語帳を見ながらノートに書きながら練習する
  • 120個/1日として、1日または2日置きに日本語訳PDFを見ながらテストする
  • 8割以上覚えていたら次の120個に移り、覚えていないものは時間がある時に定期的に確認する

現在使用している単語帳は「キクタン中級編(2級)」「キクタン上級編(準1級)」で前者は主に成語の暗記に使用しています。

実際のテストの様子がこちら↓

このやり方が全ての人に合うかはわかりません。効率厨の人は日本語PDFを作る事自体「無駄だ!」と言ってくるかもしれません。しかし私にとってはこれが一番覚えられるのです。何より、私にとって“曖昧な記憶”ほど自信を無くすものはありません。曖昧だと自信を持って使えませんし、そもそも使おうという発想にも至りません。どうせ単語を暗記するならちゃんと覚えたいですよね。

欲しい方のために一応単語テストの用紙を貼っておきます。ご自由にお使いください。

絶えず確認・絶えず更新

単語暗記は辛い作業です。楽しみながらできる人は少ないかもしれません。しかし、テストで合格を目指したり、実際の会話で使えるようにするためには、ちゃんと記憶することが不可欠です。

大変な単語暗記において、時間をかけるのはもちろんのこと、「何を知っていて、何を知らないのか」を絶えず確認し、「知らないものを知っているものにする」更新作業が非常に重要です。

「あんまりできてないな…」「読んで覚えた気になってるな…」という思い当たる節がある人はぜひ今回の話を参考に、普段の単語学習に取り入れてみてください。それでは、最後に今回のまとめを書いて終わりにします。

今回のまとめ
  1. 単語学習が上手い人は小テストをやっている
  2. 小テストは自分でルールを作り工夫する
  3. 小テストは「知っている」と「まだ知らない」を確認する作業である
  4. 小テスト後は「まだ知らない」を「もう知っている」に更新するよう努力する

 

ABOUT ME
SHU
現役東京外大生がお送りするShuBlogは中国語学習者に向けたコンテンツを発信しています。他にもTwitter、Youtube、Instragram等でも積極的に活動していますので是非覗いてみてください。