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HSKが6級から9級に?!HSK改革の噂をまとめてみた

HSK6級が9級に変更?


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HSKが6級から9級になるらしい!



皆さんこんにちは、管理人のShuです。最近Twitterで『HSKが9級になるらしい!』という声がたくさん上がっていたので、『まじか??!!』と思い今回はそれに関して調べたまとめ記事をここに残して置きたいと思います。

どうやらまだ確定なのかはわかっておらずあくまで『噂』ということですが、中国の検索エンジンサイト百度でそれに関する記事がアップされていたことで話題になっています。

HSK9級とは果たしてどんなレベルなのか、HSK6級との違いは何なのかなど一緒に見ていきましょう。

そもそもHSKって何?




そもそもHSKって何?という方のために簡単に説明しますとHSKとは「汉语水平考试(hanyu shuiping kaoshi)」の頭文字をとって短くしたものになり、英語で言うとTOFLEやIELTSなどに当たる中国が直々にやっている国際的な中国語能力試験になります。

このHSKがなぜ大切になるかというと、まず外国人留学生が中国の大学に留学申請をする際に非常に重要な参考成績になるからです

他にも特に日韓の企業ではこのHSKの成績を重視する企業もあり、就職の際にも使えますし、奨学金を申し込む際に必要になったりします。



例えば北京大学に大学院留学したいと思った場合必要になるのは

理学・工学専攻
HSK6級200点以上、作文65点以上
人文・社会専攻
HSK6級210点以上、作文65点以上
と言われています。




また有名な大手総合商社の一つである伊藤忠商事では中国語を話せる人材育成が行われておりこちらの記事では次のように書かれています。
http://j.people.com.cn/n3/2018/0417/c94473-9450629.html

『伊藤忠商事の岡藤正広会長兼最高経営責任者(CEO)は、「当社は2015年1月に、中国中信集団(CITIC)とタイのCPグループと歴史的な業務・資本提携契約を締結した後、3年間でHSK合格者を1000人以上とする目標を立てた。現在までに、社員1043人がHSKに合格しており、その数は社員総数の4分の1にあたる」と説明した。』




奨学金に関してはこちらのサイトでは例えば4年間漢語国際教育という枠組みで中国で勉強したいとなった際には(https://www.hskj.jp/koushigakuin-syougakukin_ryuugaku-program/)

1.高校卒業以上
2.HSK4級210点以上、且つHSKK(中級)60点以上
が必要になります。



このように、これから中国語を使って仕事に生かしたい方や、中国に留学に行きたい方にとってはHSKというのは切っても切り離せない関係になってくることがわかると思います。

中検は日本の団体がやっているものですから国際的には通用せず、もちろん中国へ留学申請や上記のような奨学金には基本は使えません。英検が海外では役に立たないのと同じですね。(日系企業などでは評価されるかも)

HSKの歴史を見てみよう



さてではここから本格的にHSK9級の噂について紐解く前に、段階を追って説明させてください。というのもHSKにはちゃんとした歴史があり、その中で過去のも一度級変更がされたからです。HSK自体の歴史を見てみることでこの先どうなるかが見えてくるかもしれませんよ。

→参考記事はこちら(https://www.sohu.com/a/396642577_120488763

 

第一段階



1984年から外国人留学生のレベル分けを明確にするために約6年間の研究と試験を経て1990年に中国国内で、1991年で海外で試験的に実施されたのがHSKの始まりです。

1997年にはHSK(基础)、HSK(初、中等)和HSK(高等)と3つの等級、11もの級に分けられ、1992年に《中国汉语水平考试(HSK)办法》としてHSKは中国語を母語としない者のレベルを測るものとして確立されました。

2003年の段階では29の国、46個の場所で行われ、世界で2.6万人の人が受験していたそうです。



ちなみに当時のHSKのレベルを知っている人からするとHSK8級あたりからもうめちゃくちゃ難しかったようで、9級以上は相当なレベルがないと合格はできなかったようで、11級に至ってはほぼ不可能だったようです。当時の人が今のHSK6級は鼻で笑っちゃうレベルかもしれませんねw

第二段階



2004年の段階で徐々に世界中で「中国語学習ブーム」のようなものが盛り上がったにも関わらず当時の普及率はそこまで高くなかったようです。そこで海外の中国語学習者の手助けとなるように改革が行われて2009年には現在の新HSKが始まりました。


旧HSKと違って難易度が調整されて緩和されたり、1級に必要な語彙数が150単語と語彙量の調整が行われたりしたことで初級者が中国語を始めやすいようになったんですね。2014年に刊行された『HSK标准教程』は世界中で大人気となり150万人もの学習者に使用されています。



ネット試験も行われて、より多くの方がHSKを手軽に受けられるようになったこともあり2019年には150もの国、1229もの場所、80万にも登る人によって受けられています。数字だけ見ればこのHSK改革は成功したと言えるでしょう。

新HSKは簡単?



どうやら旧HSKから新HSKに変更された理由の一つとしてもヨーロッパ言語共通参照枠=CEFRに合わせるためと言われています。CEFRはC2が最高レベル、A1が最低で、スペイン語のDELEなどヨーロッパ言語の試験の尺度として採用されており、これがHSKと同じ6段階なんですね。


しかし、Wikipediaには次のような記述もあります。(https://ja.wikipedia.org/wiki/漢語水平考試)


2010年にHSKの運営側は、HSKの6つの級はCEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)の6段階のレベルに対応していると主張した。しかしながら、この主張を、ドイツやフランスなどの中国語教育組織が、HSK6級はCEFRのB2前後に相当し、HSK側の主張は正しくないと否定した。



日本人で漢字が読めるというのも大いにありますが、確かにHSK6級はそんなに難しくないとされていますし、6級持っているからといってペラペラかと言ったらそうではない人もたくさんいますね。

留学経験のある僕の友人も『中国語はHSK6級合格してからがようやく中級だよ』と言われたようです。

日本の中検ともよく比較されますが、HSK6級より遥かに中検準1級、1級の方が難しいですw

第三段階(9級へ変更?)



ここからは、現在のHSK2.0からHSK3.0へ変更がされるということでここまでわかっていることをまとめて置きましょう。

まずレベル分けとしてはHSK6級が最高級であったものが、HSK9級が最高級となり、初級・中級・上級の3段階に分けられます。

これは国際的な言語基準であるCEFR、ACTFL(外国語教育に関するすべてのレベルの教育におけるすべての言語の教育と学習の改善と拡大を目的とするアメリカの組織)などの慣例に合わせたものとなっています。



語彙数やリスニングレベル、漢字の能力などが追加され、7〜9級ではこれまでの6級以上に高いレベルが求められるようです。

更にこれまでの4技能(听、说、读、写)に加えて、新たに「译(翻訳)」が追加される点、そして

①コミュニケーション力

②話題(日常会話)と任務(基本的な生活や勉強や仕事に関するやりとり)

③言語の定量化の指標(音節、漢字、単語量、文法)



この3つの能力も加味した「5+3」の能力が重要視されるテストになると言われています。

どうやらより体系的で「使える中国語」にするための試験改革が行われていきそうですね。これまでのHSKはHSKKもあり会話能力が別で測られてきましたが、もしかしたらTOFLEやIELTSなどのようにスピーキング試験も合わせたHSKになっていくかもしれませんん。


ここが気になる疑問点「翻訳」



しかし「翻訳」という項目に関してはいささか疑問が残ります。

翻訳というものは級が上がれば上がるほど当然細かいニュアンスなどの難しさが生じます。更に言語によってこの翻訳というものの難易度は変わると思います。

例えば文法が似ている言語同士はGoogle翻訳は精度がそこそこ高いですが、全く異なる特徴を持つ言語ではその精度が著しく下がるのと同様、翻訳作業を行う人の労力も言語によってまた変わってきます。

国際的な試験ですからアルバイトやAI翻訳にやらせるわけにもいきませんし、採点する側の十分な教育や数も確保する必要があります。翻訳は高度な技術を必要としますし、人によって翻訳の仕方もかなり変わってきます。

こう言った問題はどうやって解決するのか非常に気になりますね。

HSK9級へはすぐには変わらない?



実はHSKが9級へいつ変更になるのかまだ発表も何もなくいつになるのかはわかっていません。しかしHSKのレベルを改定するにも長い時間がかかります。なぜなら上記のような翻訳問題に関しての疑問や、何よりHSK教育者の教育に時間がかかるでしょう。

日本語もそうですが母国語を外国人に教えるというのは簡単なことではなく、まず教育者側が「教えられる」ことが前提です。



HSK6級の間違った文を選ぶ問題でさえ、ネイティブにもうまく答えられない時がありますから6級より更にレベルが上がるのであれば生半可な教育者では務まらないでしょう。

しっかりと精度を整えて、教育者を教育して、対策本も作成するなどしてからようやくまずは試験的に導入という形になると思うので来年いきなり9級へ変更!!!などとはならないでしょう。

とは言っても将来的に変更することは旧HSKから新HSKに変わったときのように、今あるHSK試験を更に良いものにするために当然あり得ることでしょう。今のHSKよりももっと自分の実力が細かく正確に測れる試験になると思うのでその点は楽しみですね。

ひとまずはHSK6級を既に持っている方は中検準1級・1級を目指してみるのがいいと思います。このレベルは相当難しいので、準1級・1級という難易度を知っておくだけでも新しく追加されたレベルにびっくりすることも減ることでしょう。

それではここまでHSK9級に変更?というテーマで話させていただきました。HSK6級取得者にはまたいい目標ができるのではないでしょうか。一緒に頑張りましょう。

それでは今回はこの辺で、バイバイ👋

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SHU
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