HSK記事には最短最速で合格という記事が多い
今回は、それに踊らされ、〇〇ヶ月で合格すればすごい!みたいなムードが出てしまってることに対して、少し待ったをかけたい!という記事になります。(ブーメランですが過去の自分にも向けた記事になっています。)
この記事では主に中国語のモチベーションが「会話力を上げて話せるようになりたい!」としている人に向けて書いております。試験に合格すればなんでもいいやって感じの人には少し合わない記事になっていますのでご了承ください。
HSK4級 6割合格は大してすごくない
これを書くと少しムカッとする人がいるかもしれませんが、HSK4級合格自体はめちゃくちゃ難易度が高いことではありません。もちろん、レベル的には上から3番目と、世界的目線から見れば4級はそこそこのレベルです。
日常会話をスムーズに行え、場合によっては簡単なディスカッションもできるかもしれません。しかし、そもそも短期間で「合格した」方に共通するやり方はなんだと思いますか?
ずばり、「過去問対策」です。
では、HSKにスピーキングは含まれていますか?いませんよね。それから、TOEICを思い浮かべてください。TOEICは800点、900点を持っていても話せない人がたくさんいるのが普通になっています。それはなぜでしょうか?
それは、「過去問対策」一択で攻めることが試験合格には一番効率がいいからです。効率を求めるがゆえに大切な「根本的な語学力」を無視して点数だけ取れるというのは試験あるあるかもしれませんね。
さらには別記事でも書きましたが、HSKはリスニング、リーディング、ライティング各100点ずつの合計300点満点で、トータルが180点以上(6割)で合格です。これは何を意味するのか?そうです。漢字が得意な日本人受験者の多くは、読解で点数を稼ぎます。
リスニングなんてほとんどちゃんと取れないか、勘でやっている人が多いです。リーディングで80点取れば、後二つはそれぞれ50点でいいわけですからだいぶ簡単なテストですね。
試験というのは本来その人の正確な「語学力(4技能全て)」を測るために利用すべきものだと私は考えています。
試験に合格することが目標になっているのは、留学等でHSKがすぐに必要だという方以外には、あまり良くないことに思えてしまうのです。
HSK4級は240点で合格だと思え!
日本人はだいたいリーディングで80点〜90点はとってきますので、残り二つのセクションで合計100点〜120点。(リスニング・リーディングで各50点以上)
しかも、ライティングも日本人は比較的できます。というのもHSK4級のライティングは半分以上が並べ替えです。並べ替えということは、当然漢字が書いてありますので、意味の推測が可能です。
そのためHSK4級テキストなどで文法を抑えた方ならがっつり点数が取れてしまう分野でもあるのです。
つまり、肝心の会話に必要なリスニング力は、ひどい人だと40点程度でも”合格”は十分できてしまうわけです。
これでは、せっかくHSK4級を持ってても会話ができないのは当然です。
HSK4級は基本的に240点以上(各スコア80点以上)で合格だと思って勉強を進めた方が、中国語力の向上が望めると思います。
自分は何点だった?
偉そうに言ってきた自分は何点だったかというと、こちらです。
私が中国語の勉強を始めたのは去年2018年4月からでしたから、これはその5か月後、2018年9月にとったものになります。

270点、9割合格ということでかなりいいほうだったのではと思います。また、その時にやった勉強法・参考書・コツ等は別記事にて書きたいと思います。
HSK4級こそじっくりやるべき

HSK5級や6級にチャレンジすることは、とても良いことだと思います。難しい語彙や表現、内容等に進んでいくと、自分のレベルが上がっていることを実感しますよね。
しかし、「会話をする」ということに焦点を当てると初級者に最も大切なのはHSK4級です。なぜなら、基礎文法、単語の説明はほとんど4級までで網羅されているからです。
そのため、この4級をサラッと終わらして5級や6級に進んでも、結局はスピーキング練習の際にHSK3、4級のレベルまで落とし込む結果になります。
しかし、残念なことにHSK5級や6級にチャレンジしていたり、合格してる人だと、あまり話せないにもかかわらず4級レベルが簡単過ぎると感じて、真剣にやり直すことができなくなるのです。
なら初めから、HSK4級を勉強している段階で、身に付けるものはしっかり身につけておいた方が得策ではないでしょうか?
個人的にはHSK4級には発音練習等も含めて1年はかけてもいいのかなと思います。もちろん、モチベーション維持のために5級6級とドンドン進むことは良いことですが、せめて4級が会話においては非常に重要な役割を担ってくれているということは念頭においた方が良いでしょう。
今回の話は実は私自身の体験談
実はこの話は過去の私自身に向けて書いているものでもあります。
先ほど書いた通り私自身はHSK4級に5か月で合格しています。リスニングも全くの勘ではなく、多少は聞き取れてのリスニング94点です。
しかし、HSK4級後にすぐに5級に入ろうとしたところ、HSK5級は私が当時求めていたものは望めないテストだということに気づいたのです。
どういうことかというと私にとっての言語学習は
「コミュニケーションができるようになること」=「話せる、聞ける」ことになることです。決して学者さんのように中国語それ自体を研究することでもないし、文学作品を堪能するための手段でもありません。
要は私にとっては「読めても、書けても、話せて聞き取れなくては意味がない」
のです。コミュニケーションがとれないレベルではまだまだ話にならないわけです。
では、HSK5級、6級を持っていれば、この目標が達成できるのでしょうか?
答えはNOです。
レベルアップは確実にできますが、わざわざHSKを使う必要はありません。語学の勉強はもっと自由に、選択肢を多く持ってやってもいいと思います。そこで私は9月のHSK4級合格後から翌年2019年3月31日のHSK5級を受けるまでの約半年、スピーキング練習にシフトしていきました。
その結果かなりのスピードでコミュニケーションができるようになり、中国人と話すときも怖くなくなり、自分にも自信が持てるようになりました。詳しい勉強方法はこれも別記事にて書かせていただきますので読んでくれたらうれしいです。
まとめ
もちろん、人によってモチベーションもやる気も、事情も目標も違うので一概には言えませんが、もしHSKに合格にこだわりすぎている方がいれば、こういう考えもあります程度に参考にしてくだされば嬉しいです。
長々と書いてしまいましたが、別記事でHSK4級勉強方法とスピーキング練習方について書かせていただきます。
それではまた次回!